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終戦の日におもいうかぶ本

貝になった男―直江津捕虜収容所事件 (文春文庫)  著:坂本冬子
 極寒と栄養失調と虐待のため、大量のオーストラリア兵が死亡したとされた直江津捕虜収容所では、BC級戦犯裁判で8人もの職員が絞首刑になった。ところが所長だけは、12年間の獄中生活の後、釈放されている。なぜ彼だけ命びろいできたのか?埋れた事実を丹念に拾い集めて真相に迫るノンフィクション。 Amazon.co.jp 商品の説明 内容(「BOOK」データベースより)

太平洋戦争終戦日にまっ先に頭に浮かぶのは上記の本である。ノンフィクション作家の故坂本冬子氏が太平洋戦争におけるBC級戦犯者の悲劇を社会に知らせた傑作である。

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太平洋戦争時の捕虜

この作品のテーマは、太平洋戦争時の捕虜とその捕虜の取り扱いに関して戦後BC級戦犯と裁かれた人達の運命である。日本の捕虜については太平洋戦争のはじめ占領地で約35万人の連合軍を捕虜にして、1942年6月から日本政府は国内の労働力不足を補う手段として捕虜の一部を国内に移送して鉱山炭鉱や京阪神の工場地帯等で働かせた。その結果国内の捕虜収容所には合計32,414人の捕虜が収容されて、終戦までに3,500人が死亡したと記録されている。

8名もの法務死者

さてこの作品の舞台となった直江津捕虜収容所では、約300人のオーストラリア人が収容され60名の方が亡くなった。そして戦後、看守等15名がその罪を問われ8名もの方が法務死された。でも何故か法務死したのは看守のみの立場の人達だけであり、所長などの上長は法務死を免れたという。この作品はこの謎を探す旅であり、その謎は今だ謎と言ってよいかもしれない。ちなみに8名もの法務死者数はBC級戦犯として裁かれた捕虜収容所では最多であるという。

メディアでの扱い

戦後のBC級戦犯にまつわる話は、故フランキー堺主演ドラマ「私は貝になりたい」があまりにも有名である。近年は人気タレントSMAP(スマップ)の中居 正広さん主役で同名の映画も上映され、その認知度は世代をまたがり普及しているといっても過言ではない。私は所ジョージ主演のドラマのリメイク版を見たことがあるが、これを見るとなんとなくBC級戦犯として裁かれた人達の悲劇が理解でき勉強になる。

捕虜収容所に関する映画・ドラマは、「戦場のメリークリスマス」「バルトの楽園」等、けっこう作られている。近年でいうと小泉孝太郎さん主演の「あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった-カウラ捕虜収容所からの大脱走」が印象深い作品といえる。

カウラ捕虜収容所にかんしては、これも謎とされている日本軍人の大脱走。でもこれだけの騒ぎをおこした日本人に対してカウラの市民は墓地をつくり脱走して射殺された日本兵の墓地をつくり長年その魂を弔ってきたという。
直江津捕虜収容所跡地は公園として整備され、そこには記念碑が建立されている。カウラにある日本人脱走兵の共同墓地に影響された市民の呼びかけによる市民の力で作られた公園。それをはじめて知ったとき日本にこんな公園があるんだと驚かされたものである。

日本人として知っておかなければならないこと

戦時中、日本に約32,000人の捕虜が収容されて強制労働や極悪な生活環境により終戦までに約3,500人が死亡した。そしてその罪を問われBC級戦犯として多くの日本人が法務死させられた。戦争は戦地以外でもさまざま犠牲を生む。それは日本人として知っておかなければならないものだと今日8月15日に思う。

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