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過去の医療事件判例より

「妻の手術ミス認めろ」「街宣活動もできるんだぞ」 医師に脅迫容疑で暴力団関係者逮捕  – MSN産経ニュース 上記事件に関してツイートした後、ネットで医療過誤に関する裁判結果を調べてみたら「医療安全推進者ネットワーク」のHPのたくさん過去の判例が掲載されていた。その中の股関節症に関するものが1件ありましたので参考までに掲載します。

医療安全推進者ネットワークHP:医療事件判決紹介コーナー 判例速報より

今回は、被告病院において両側変形性股関節症と診断された原告が、左人工股関節置換術を受けたところ、執刀医が手術中に坐骨神経を傷つけたことにより左足が動かなくなり歩行や生活に困難を来たすなどし坐骨神経麻痺が残るなどの後遺障害を負ったなどとして、損害賠償請求した事案です。

■年月日・裁判所 H17. 8. 9 甲府地方裁判所 平成13年(ワ)第142号 医療過誤による損害賠償請求

■診療経過 ・原告には、先天性股関節脱臼の既往症があった。

・平成5年、両股関節の痛みが激しくなり歩行も困難になったことから、同年12月7日、被告病院を受診し、両側変形性股関節症と診断された。

・原告は、そのころから被告病院で痛みを緩和する投薬治療を受けていたが、左股関節の痛みがひどい状態となったことなどから、左人工股関節置換術(本件手術)を受けることとなり、平成6年10月11日、被告病院に入院した。同月21日、被告病院に勤務するB医師が執刀して、本件手術を行った。

・本件手術において、B医師は、坐骨神経の一部、3分の1くらいを糸鋸(ギグリ)で損傷したため、すぐに神経縫合術を行った。

・B医師は、原告の夫にその旨説明するとともに、回復には半年くらいかかると説明した。 ・本件手術後、原告は、歩行が困難となり、一人では衣類の脱着や入浴等ができなくなり、常に介護が必要な状態となり、平成7年2月22日まで被告病院に入院した。

・その後、原告は、同年3月12日から平成8年10月8日までリハビリのため被告病院に外来通院をして治療を受け、左短下肢装具、右足底装具及び杖の使用により歩行が可能となったものの、左坐骨神経麻痺は改善されなかった。原告は、平成7年3月7日、症状固定との診断を受け、同月20日、「下肢機能障害両下肢 著しい障害」として身体障害者2級の認定を受けた。 ・原告の左足は麻痺し、左足先がのびた状態で足関節が持ち上がらなくなり、歩行困難な状態となっている。

■裁判所の判断(事実関係にほとんど争いなし) 「まず、本件手術の際、B医師が過って原告の坐骨神経を損傷したことは争いがなく、これによって左坐骨神経麻痺が生じていることは明らかに認められる。また、左足に生じている下垂足、左下肢筋力低下により杖や補装具なしでの歩行が困難となっていることも本件手術後に生じた症状と認められる」「したがって、被告の被用者であるB医師が、本件手術において原告の坐骨神経を損傷したことについては、診療上の過失に該当すると認められるので、被告は、その使用者として不法行為責任を負う」「よって、被告には民法715条に基づき、不法行為責任が認められる」

■判決主文

1 被告は、原告に対し、金2033万3582円及びこれに対する平成6年 10月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 原告のその余の請求を棄却する。 (以下略)

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医療の情報共有化が重要

大学等で難しい手術を行う場合、記録を撮るために手術の様子をビデオ撮影しているが、これをすべての外科手術を義務づけるとどうなるのだろうかと素人ながら思ってしまう。

現在は一昔前と違い画像データーの処理も簡単にでき大容量のデーター保存も可能である。 警察・検察の取り調べの際の可視化法案というニュースがしばしばネットで話題になるが、外科手術に関する可視化法案もすごく重要でありこれも必要ではないかと思う。

外科手術での医療過誤を防ぐ意味でも裁判等で医療過誤の有無を判断する資料としてもビデオ撮影された画像は重要である。もし上記裁判にかんして画像が裁判の証拠資料として提出されていた場合、その画像を見て証言をする第三者的立場の証人を連れてくれば医療過誤の判断は簡単につき裁判所もより正確な判決が下せるかと思う。

手術をされる患者も自身の手術がどのような方法で行われたのか知りたいと思う。手術は血が見えたりして一般人には見せられないという人もいるかもしれないが、それこそ自身の身体の状態を知る権利が患者にはあると思う。 また変形性股関節症等複数回の手術が想定される疾患に関しては、過去の手術内容を画像で見て現在の状況と比較して治療法を決めていけるので、治療に関する判断ミスを防ぐ効果があるかと思う。 いずれにしてもカルテのIT化、医療の情報共有化が推し進められていく中で外科手術の可視化もIT技術の発展により実現可能になり、数年後には避けられない状況になるのではないかと思う。

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